冝保 聡(紅型くんや)
ごあいさつ
紅型工房くんやは、沖縄県糸満市という那覇空港から30分程のところにある工房です。高台に位置し、眼下に海が広がり、周りは畑に囲まれ、良い風が吹いています。とても小さな工房ですが、夫婦とスタッフとで毎日忙しく染めています。
くんやでは創業以来、ずっと紅型帯を中心に染めてきました。ここ最近は年間100本程染めています。
我々は、ひとつひとつの工程をすべて手作業で行っています。小さな工房なので、分業ではなく図案から、型作り、染めの作業を全て工房内で行っています。ですのでお好きな地色、差し色などリクエストにも柔軟にお応えします。紅型帯のことなら自信を持ってくんやにお任せ下さい!お持ちの着物などにあわせた柄などもアドバイスいたします。
そのほかにも着物や風呂敷やタペストリーなども染めています。おかげさまでリピーターの方もたくさんいらっしゃいます。きっとご満足頂ける御品をお届けできると思います。
プロフィール
故 嘉陽宗久氏に師事し、3年間の修業を経て、2003年より「びんがた工房 くんや」を立ち上げました。
毎日まじめにコツコツと紅型を染めております。
琉球紅型は全行程をひとりで仕上げます。
そのひとつひとつにおいて職人技を極めるべく精進の日々です。
見た人の気持ちがパッと明るくなるような染めをめざしています。
「くんや」とは沖縄では染めもの屋のことを「くんや」とか「くーや」と呼んでいました。「紺屋」の方言名です。
経歴 受賞歴
1972年 沖縄県宮古島生まれ 那覇育ち。糸満市在住
2000年 工芸指導所展の紅型を見て、紅型の道に。故嘉陽宗久氏に師事。
2002 年 沖縄県工芸指導所 研修終了
2003年 「びんがた工房くんや」設立
2005年 沖展「奨励賞」受賞
2006年 沖展「浦添市長賞」受賞
2007年 沖展「奨励賞」受賞
2009年 沖展「奨励賞」受賞
2009年 沖縄県糸満市に工房を移転
展示会
2003年 「びんがた五人展」那覇市市民ギャラリー
2005年 「紅々展(二人展)残波ロイヤルホテルギャラリー
2006年 「紅男志展」(男四人展)那覇市民ギャラリー
2007年 「染三人展」石垣全日空ホテル「てぃんがーら」
2008年 沖縄 「青砂工藝館 」にて個展 以降毎年開催
2008年 高松「馬場呉服店」にて展示会 以降毎年展示会参加
2009年 札幌「oteshio」にて展示会 以降毎年開催
2012年 山梨「着物乃塩田」にて展示会
2013年 東京「白瀧呉服店」にて展示会
2015年 姫路「えり新」にて展示会
2016年 東京「白瀧呉服店」にて展示会
2017年 名古屋「月日荘」にて展示会
2019年 名古屋「月日荘」にて展示会 日本橋「円居」にて展示会
引き受けたいお仕事内容
様々なグラフィックデザイン物への紅型・藍型の提供。300程度ある既存の型の中から制作物へ適したものを選び、ご希望に合わせて染めます。
作品実績
紅型六通帯 連珠文様 鳳凰と獅子
作品概要
三千年程前から伝わる連珠模様をベースに鳳凰と獅子を入れました。菱形の部分はデイゴの花です。あとはハイビスカス、牡丹、ブーゲンビリアなどの花が描かれています。
色が変わると表情も変わります。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
紅型太鼓帯 筒引き寿山福海
作品概要
創作ですが、これも古典的な柄です。
「寿山福海」とは、山の様に絶えない寿と、波の様に尽きない福という意味をもつ模様です。中国の皇帝、琉球の王様の衣装にも使われていた柄です。縁起がいいわけです。
この帯は、型紙を使わない「筒描き」という技法で作りました。型とは違う筒描きならではの、のびのびとした線が特徴です。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
紅型六通帯 エジプト文
作品概要
この帯の模様は、戦前の沖縄の壺屋焼の模様をモチーフにしました。
この焼き物は「琉球古典焼」といわれ、ペルシャ模様のような模様が描かれた花器などが多く作られ、本土向けに輸出され、沖縄には実際にはない風物が特徴でした。その「琉球古典焼」の模様をそのまま帯にしてみました。
魚が笑い、なんだか楽しげな雰囲気になりました。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
紅型六通帯 波頭山頭桜模様
作品概要
もの凄い迫力のある模様です。琉球紅型の古典柄です。
初めて実物を博物館で見た時「絶対染めてみたい!」と思いました。現代の紅型にはないこの力強さ、勢い、多用した朱色。これこそ古典紅型だ!と言わんばかりの模様です。
これで着物を作るとすごいんだろうなぁ。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
紅型六通帯 EAST YANBARU
作品概要
「EAST YANBARU」ってなに? そのままですが沖縄本島の北部には「ヤンバル」という森が広がっています。 そのヤンバルの東村をイメージして作りました。
東村はパイナップルの産地で、春にはつつじ祭りといってたくさんのつつじの花が咲いています。 森には天然記念物の「ノグチゲラ」が生息しています。
沖縄だけではなく、日本で大事にしなくてはいけない場所です。そんな素晴しいヤンバルの自然をいつまでも残していきたいですね。
紅型六通帯 月と月桃
作品概要
沖縄のあちらこちらで見かける植物「月桃」をモチーフにしました。
ショウガ科の植物で、花はもちろん葉っぱや茎もとても良い香りがします。沖縄では冬至のときに、「ムーチー」といって、月桃の葉に包まれた餅を食べる行事があります。子供などにこの餅を食べさせ、鬼から身を守るという意味があるそうです。ですので沖縄県民には子供の頃からとても馴染みのある植物ですよ。
月と桃で月桃というので、月も入れて、月と言えばウサギと思い、ウサギも入れました。右が月桃とウサギで、左が月です。この柄はくんやでは10年以上作り続けている定番柄です。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
紅型六通帯 龍の巻物
作品概要
琉球紅型の古典柄です。 少しだけアレンジをくわえました。龍の巻物、扇、巾着、山に波など、みな縁起の良い吉祥文様で構成されています。 ありきたりの言葉ですが、古典ほどモダンですね。 100年以上前からある模様。 琉球紅型の奥深さを感じる帯です。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
紅型六通帯 染め分け地草花模様
作品概要
古典柄です。 紅型の基本の6色で染めています。 こういう模様は「染め分け地」という模様に分類されます。 古典紅型にはこのような模様がたくさんあります。 実際に帯として締めると、とても華やかになると思います。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
琉球藍型
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
作品のポイント
2018年から藍型をはじめました。
琉球藍泥と灰汁を混ぜて発酵させた液に何度も浸けて染めています。
現在 琉球藍型を作る工房は城間紅型のみなので、くんやで2軒目となり大変貴重な染めとなっております。
藍型は大変奥が深く難しいですが、とても楽しく染めています。
紅型太鼓帯 スーファーサージ
作品概要
この柄のモチーフは、その昔王妃が嫁入りの時に、頭に被っていた布の柄です。その布が「スーファーサージ」といいます。
このような鳳凰や火炎宝珠などが刺繍で施された綺麗な布だったそうです。
この布も沖縄戦で消失してしまいました。ただ戦前に琉球芸術文化の研究者の鎌倉芳太郎氏が撮った写真が残っています。白黒の写真なのでどんな色かわかりませんが、きっと鮮やかで綺麗な布だったんだろうなぁ〜と、想像しながら染めました。
生地は群馬桐生の変わり織りの生地です。
担当フェーズ
図案起こしから、型作り、染めの作業まで全て
紅型 筒引き風呂敷
作品概要
筒引きで手描きした風呂敷です。型紙は使っていないため完全な一点物です。定番柄と創作柄があります。
名前を入れたり、お好きなモチーフを入れる事もできます。素材は綿100%。基本サイズは90センチ×90センチです。
担当フェーズ
図案起こしから染めの作業まで全て